As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
全てが終わり……
火葬場を出た俺達は、それぞれに車に乗り込んで…
その場を後にした。
「……侑。」
「……ん?」
「お前……、大丈夫?」
運転する兄貴が…横目でこっちを見ながら、問い掛ける。
「…………。」
「泣きそうな顔してる。」
兄貴にそう言われるまで、自分でも何を考えていたのか…わからなかった。
祖母と過ごした日々が…
脳裏に浮かんでは消えていって、
それを……繰り返して。
ただ無心に……
過ごしていた。
車の外に流れてゆく景色を見て……、
「……兄貴……、車とめて!」
懐かしい場所で…
つい、声をあげた。