As Time Goes By ~僕等のかえりみち~





彼の言う通りであった。




過ぎてしまえば…あっと言う間の2年。



されど…長い2年。



人が変わるのには…十分な月日が流れていた。








それはきっと、私達みんな………。





けれど。





本当にそうであろうか……?






あの、夏の日……





私達は、中道くんに会いに行った。




二人の間には、もう何もないはずなのに……。

彼の試合を見ることに、柚はなんの躊躇いもなかった。




会話を交わすこともない。


ただ、遠くから見ているだけなのに……



その瞳は、嘘はつけなかった。



まだ、恋をしていた。







結局あの日から……



彼女らには何も接点などなくて。




彼が準々決勝で破れる試合を……テレビ越しで見たのが、最後。




後は……



名前すら、聞くことはなかった。








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