As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
フェンスを越えたそこには……
彼女が待っていた。
「……柚……。ずっといたの?」
「うん。最後の勇姿…、見届けたよ。」
「……そっか。」
本当は……、気づいていた。
なぜなら、二年前別れたあの日から……
君がそこにいないかと、ついつい目を向けてしまう自分がいたのだから……。
例え自分を見てくれなくても。
ただ居るだけで……
強くなれた。
勇気を…持てた。
柚はずっとそういう存在で……
きっと、これからも…変わらない。
「……なんとなく…、居る気がしてた。」
「……?何で?」
「まだ…、ちゃんと別れを言ってないから。」
「…………。」
柚は……
ちょっとだけ、困った顔をした。
「先輩、ちょっといいッスか?」
不意に……後輩から声を掛けられる。
なんていうタイミング…。
決意が鈍るじゃん。
「柚。話あるからちょっと待ってて。」
「うん。」