As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
「彼は……本当は柚にどうして欲しかったんだろう。別れも言わずに、残すものばかりで……。まるでどこかで柚を縛りつけてるみたい。」
「……結…、何言って…?」
「……中道くんも…きっと東京にいるよね。」
「…………。」
「もう…、自分達でなんとかできる歳にもなった。だから……」
「…お節介。どうにかなるなら…もうとっくになってるよ。」
「……でも。」
「…最後に何の心配してんのよ。私はもう…………。」
そこまで言って。
後は……言葉が出なかった。
『諦めた』
…なんて。
嘘でも言えないのは……
なぜ?
「とにかく、結は結で頑張れっ。私も……負けない。」
「……うん。」
後は……
誓いなどすっかり忘れて、
お互いにボロボロに泣いて……、
最後の最後に。
「……またね!」
そう笑い泣きした結は……
とっても綺麗だった。