As Time Goes By ~僕等のかえりみち~







佳明は、終始黙って話を聞いていた。


下を向いたまま、私に顔を向けることはなく……






「いずれこうなることは…わかってた。それでも、あいつが現れなければなんとかなるんじゃないかって……。わざと話題を避けてたのに。俺の…ツメが甘かったな。」





最後にそう……



呟いた。









彼はどこまでも優しかった。




玄関先で私を見送る時には……、




「少しの間だったけど…楽しかった。これで奴の呪縛から…解放されるよ。」





そう言って……、




笑った。

















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