As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
「……あれ?」
上原が歩く道の先に…
人影があった。
上原と、その人影が歩み寄って……
しっかりと抱き合う。
キャーキャー声を上げながら、喜びをあらわにして…。
「………。こんな遠くじゃ…俺でも見分けつかねーよ。」
同じ顔……。
同じ背丈……。
偶数なのか、同じ髪型をした……、
君の…大事な人。
やがて、二人の視線は……
こちらへと向けられる。
上原が指さして……、
俺に気づいた結が……
こっちに駆け寄ってきた。
「柚が遅いと思って来てみたら…、何コレ、何で中道くんがいるの?何がどうなってるの?!おかえりと言うべき?」
目をキラキラさせて、楽しいことを見つけた時の……上原にそっくり。
「久しぶり。まだ何にもなってないんだよね、それが。」
「…え。」
「多分あいつ…俺が何でここにいるのかまだわかってない。」
「……何でいるの?」
「ここの小学校に…就職したから。」
「……マジで?じゃあ…、先生なんだ?」
「そ。……しかしまあ…、二人共変わんないな。」
「…まあね~。」
「…でも…、あの『姉』、なんとかしてくんない?」
「……へ?」
「せっかく手を掴んだのに…また逃げられた。つか、この後に及んでまだ…覚悟できてねーのか?」
「……?…逃げ足もピカ一だからね。まともに戦ったら負けるっしょ。」
「……確かに。」
「二度も逃がしてる方が悪い!」
「手厳しいのは相変わらずだな。……けど…、そっか。やっぱ俺が悪いよな。」
「……告白…したの?」
「これから。」
「早くしてやって。柚…、ずっと待ってたんだから。特別に…教えてあげる。柚ね、あのキーホルダーも…、ブレスレットも…まだ大事に持ってるんだよ。」
「…………!」
「…どんだけ信じてんだって感じだよね。」
「…………。うん…、そっか…。俺と同じ…。」
さっきまで、野球をしてたから外していたけれど……。
俺はポケットからソレを取り出して…
結の前に掲げる。