As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
三井良輔の横顔は……
当時と何らかわらなくて。ようやく年相応と言えるような……穏やかな笑顔を見せる。
「幼なじみの結婚式だもん。こんな一大事くらい帰郷させてよ。てか、何でアンタがここにいるのよ。」
「お節介な誰かさんが…連絡くれたから。」
……って、
柚しかいないでしょうよ。
「全く何でこんなの呼んだかなぁ…。連絡もロクによこさない奴を。」
「そっちが連絡くれないからだろ?」
「「…………。」」
まあ……、確かにそうなんだけど……。
私にはアンタという男がよくわからない。
あの時も、そうだった。
高校時代……。
最後の、学園祭。
気が滅入っていた私にさり気なく声を掛けてきたのはこのひとで……。
その後も、
ちょいちょいと…私の前に現れては、毒を吐いたり…励ましたり。
気まぐれで一緒にいたのか何だかわからないまま……。
それはまるで空気のように、
なんとなく……側にいた。
会うのは私が此処を発った日以来。
その後はやっぱり……
大した内容でもないメールが届いたり、送ったり……、それすら途切れそうになりながらも、細々と続いていく関係。
「一応報告しておくけど。」
「……ん?」
「柚と中道くん、ヨリが戻ったよ。昨日再会して…婚約までしちゃった。」
「へぇ…、良かったじゃん。」
平常心を…崩さない。
本音と建前さえ区別がつかない。