As Time Goes By ~僕等のかえりみち~






三井良輔の横顔は……


当時と何らかわらなくて。ようやく年相応と言えるような……穏やかな笑顔を見せる。




「幼なじみの結婚式だもん。こんな一大事くらい帰郷させてよ。てか、何でアンタがここにいるのよ。」



「お節介な誰かさんが…連絡くれたから。」



……って、


柚しかいないでしょうよ。





「全く何でこんなの呼んだかなぁ…。連絡もロクによこさない奴を。」



「そっちが連絡くれないからだろ?」




「「…………。」」






まあ……、確かにそうなんだけど……。






私にはアンタという男がよくわからない。



あの時も、そうだった。



高校時代……。

最後の、学園祭。



気が滅入っていた私にさり気なく声を掛けてきたのはこのひとで……。



その後も、


ちょいちょいと…私の前に現れては、毒を吐いたり…励ましたり。




気まぐれで一緒にいたのか何だかわからないまま……。



それはまるで空気のように、



なんとなく……側にいた。






会うのは私が此処を発った日以来。




その後はやっぱり……



大した内容でもないメールが届いたり、送ったり……、それすら途切れそうになりながらも、細々と続いていく関係。







「一応報告しておくけど。」




「……ん?」



「柚と中道くん、ヨリが戻ったよ。昨日再会して…婚約までしちゃった。」




「へぇ…、良かったじゃん。」






平常心を…崩さない。



本音と建前さえ区別がつかない。



< 725 / 739 >

この作品をシェア

pagetop