As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
私達は、肩を並べて…。
当時よく行った公園のベンチに……
腰を下ろした。
辺りはもうすぐ…夕暮れ時。
昨日見た、あの二人のドラマのような光景が……
脳裏に浮かんだ。
ましてや律の披露宴直後…。
華やかな装いそのままで来たっていうのに。
……どうよ、コレ?
人ひとり分ぽっかりと空けて。肩も触れ合うことのない……
この距離。
「良輔。アンタは何で来たのよ……。」
黙ってばかりじゃ…わからないよ。
「何って……。ちょっと話でもしようかと。」
「そりゃこの状況で話をしない意味がわかんないって。」
「そうだろうけど。ずっと聞きたそうにしてる癖に聞かないからさ。」
「……何を?」
「今俺が…彼らをどう思っているか、とか…。」」
「………!」
「だいぶ思うこともあるよ?こう見えて。ただ…聞かれるまで黙っておこうと思った。」
「何で…そう思うの?」
「君が一番二人に近いから。嫌な話に…なるかと思った。実際ひどいこともしたしね。それに…、結が聞いてこないなら、俺に興味がない証拠だろ?わざわざ自分の情けなさをさらけ出す理由はない。」
「…………。なら……、聞かせてよ。表面上のことはどうでもいい。いっそのこと今思うこと全部吐き出してさ、そしたら……、何故今こうしてここにいるのかを……教えて?」
何年もの月日が過ぎていった。
それでも、柚と中道くんのように…繋がり続けた人もいる。
私達は……?
貴方は今、こうして時が経つにつれて……
どこかに、何か一つでも変化をもたらしたのだろうか?
それとも、変わることもできず……
ずっと仮面を被り続けてきたのだろうか?
「話して。………聞きたい。」
「ん。わかった。……何から…話そうか。」
彼はどこか懐かしそうに……
目を細めた。