【完】君に出逢えて
「…謝らなくていいから、最後にさ、1ヶ月だけ付き合ったときみたいに、ぎゅって、抱き締めて…?」


「ぇ…」



「抱き締めてょ…ねぇ、龍。1回だけ、でいいから…好きなの、龍が…っ」



「萌、愛…」



萌愛の小さな体をふわりと、抱き締めた。


「ごめん、ごめんな…萌愛…」


「…うっ…うわぁぁーん…っ」


屋上には謝りながら彼女を抱き締める男の姿と彼女の鳴き声だけが響いていた───…。



< 216 / 393 >

この作品をシェア

pagetop