アルバと風の世界
ラキアは、「どうなんだろう。きっと5歳のころは狙われていたから
夕焼けの世界にワープしたのかもしれないね。本当は
虹の世界の知り合いに預けるはずだったらしいけれど
結界の先がなぜか間違ってこの夕焼けの世界だったらしい。

僕は、よく覚えていないけれど、虹の世界と同じように
平和な世界みたいだと連れてきてくれた人が言ってたよ。
幸い、フォーリア長老に出会えて、育ててもらえることになったし
アルバやルシアもいて、僕の記憶から過去の記憶が消えていたんだ。
いや、消されていたんだ。たぶん、心配しないようにだろうね。

戻るべきときがきたら、記憶を蘇らせて戻れるように
手紙を預けていたんだ。そう、手紙を読み出したとたんに
いろんな思い出があふれでてきて・・たまらなくなったよ

でも、アルバ、君がいてくれたおかげで、すごく心が軽くなって
助かったんだ。近いうちに話そうとは思っていたんだけれど
なかなかね。やっぱり君たちといっしょにずっと暮らしたいじゃないか
僕のふるさとは、夕焼けの世界なんだよ。でも
行かなくちゃいけないのは、わかっているんだ。

風の世界の危機が今でもあるのか、間に合うかどうか、そして
僕が役立つかどうかはわからないんだけどね・・」
いいながら、遠くの空を眺めています。

アルバは、「よし、僕も手伝うよ、風の世界にいっしょに行って
ラキアを助けるよ」と力強く言うのでした。

ラキアは「無理だよ。風の世界は空にあるんだ。僕には、羽があるんだよ。
幼いころ使ったことがあるだけで、忘れていたんだけどね」
< 21 / 201 >

この作品をシェア

pagetop