アルバと風の世界

ラキアの考え

そのころ、ラキアは、自分の部屋で考えていました。
みんなの恋心、うまくいかないね。
僕も、いつか誰かに恋をする日がくるんだろうか?
ふとルシアの姿が浮かび・・それを打ち消しながら
僕は、本当に、またこの世界に戻ってこれるんだろうか・・

手紙を読み返しながら、その中に封印されていた
風の世界の記憶が自分の中に広がるにつれ
不安な気持ちになるのでした。

風の世界は、まだ危険な状態なんだ・・
黒い風が吹き荒れ続けている。

風の世界で成長する前に僕は殺されそうになったから
時間が早く過ぎる虹の世界につれてこられるはずだった
でも、結界が間違ってこの夕焼けの世界に開いて
予想より早く僕は17歳になって戻る・・・

夕焼けの世界は、かなり時間の流れが速い。
風の世界の10日が、こちらの10年だ。
ということは、もしも、僕が詩詠人(うたよみびと)としての
力があるのなら、危機を救うのに間に合うはずだ

助かる命も多いはず・・
そういう点で、間違って夕焼けの世界にやってきて
良かったっていえるのかな・・

アルバやルシアに会えたし、うん、すぐになくなるはずだった命が
17年間も楽しめたって思えば・・悔いはないかな。
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