アルバと風の世界
それに、僕だけじゃなくて、ルシアもずっとそばにいたから
寂しいと感じたことはなかったんです。

ルシアは、シルバーの長い髪で赤紫の瞳の聡明な少女です。
彼女の赤紫の瞳がゆれるとき・・僕の心も
いっしょに揺れ動くんです。
まるで、彼女の目の中に僕の心も存在するかのようなんです。

彼女も、両親がどこにいるのかわからなくなっていました。
たぶん、他の世界の住人だったのでしょう。目の色が独特でした。

ほぼ同じ時期に、フォーリア長老夫妻に見つけてもらって
僕とルシアは、ずっといっしょに育ちました。

そして3年後に僕とルシアが5歳になったころ
同じ5歳のラキアが、この家にやってきたんです。
それから僕ら3人はずっといっしょでした。

ラキアは、空色の髪で空色の瞳なんです。
まるで風の妖精みたいな華奢な男の子でした。

でも、その華奢な体に似合わず、面白いんです。
いつも僕やルシアを笑わせてばかりいました。

あのころは、毎日、いろんなことで笑っていました。
楽しい日々でした。
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