アルバと風の世界
(ご安心ください。ラキアさま。
すべては私ソルーが記憶しております。
風の世界に行くべきときがくればお知らせします。

それまでは空風の世界の無事をひたすら祈っていてください。
まだ、時はきていません・・今、行くと危険です)

まるで早く行こうとしていたのが
わかっていたかのように
その空色の石ソルーは、話しました。

幼いころから耳に違和感があって、
はずしたいと思っていましたが
体の一部のようではずれてくれなかった空色の石です。

聞きながら、そうか、僕はひとりじゃなかったんだ。
君に守られてこの世界にもやってきたんだったね。

遠い幼いころの記憶が少し蘇るラキアです。

(思い出してくださって嬉しいです。
いっしょに空風の世界に戻りましょう。
それまではカイアたちが守ってくれているはずです)

「カイア?」

(はい、カイアがあなたをこの世界に連れてきたのです)

「そうか。あのおじさんはカイアというのか・・
救ってくれて夕焼けの世界に連れてきてくれたんだった」
懐かしそうに思い出すラキアです。

(少しずつ思い出すはずですから心配ないです。
私もついていますから)
ソルーは、優しく話します。

ラキアは、ソルーの声を聞きながら
子守唄みたいだなと思いながら、いつのまにか
眠ってしまいました。
< 62 / 201 >

この作品をシェア

pagetop