アルバと風の世界
ルシアは「ううん、羽はないわ。でも、飛んでいて
思い出したの。小さいころ、こうやって空を飛んでいたときが
あったってはっきり思い出したの」言いました。

ラキアが「そうか。君も飛んでいたんだね。もしかしたら
君が羽がなくても空を飛べるのかもしれないね」

アルバが「そうか。その可能性もあるね」

ルシアが「じゃあ、この羽をはずして飛んでみたらいいのかな?」

ラキアが「いや、それはやめて。もし違っていたら落ちるだろ。
もうこれ以上、僕を心配させないでくれよ。困った親友たちだよ
君たちは・・でも、気持ち、うれしいよ。ありがとう」
ラキアが言いました。

「じゃあ、いいのね?いっしょに行っても?」ルシアが
言うと・・

「いや、そうじゃないんだ。あのね。ここの1年が風の世界の1日なんだよ
だから、向こうでもし10日いて、こっちに戻ってきたら
10年後の夕焼けの世界なんだ。だから、こないでほしいんだ」
と、ラキアは、きっぱり言いました。
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