アルバと風の世界
「別の歌があるの?」ルシアが聞きました。

「いや、わからないんだ。記憶の封印が解ければ
わかるかもしれないんだ。ただ、あるはずなんだ」

「夕焼けの世界に逃げる前に封印した記憶ですね。
本当は虹の世界に逃げるはずだったのが
間違って夕焼けの世界に入ってしまったので
記憶の封印がうまく解けないみたいですね。
申し訳ございません。しかし、もしかしたら
代わりにソルーが覚えているかもしれません」
カイアが期待をこめて、ソルーに聞きます。

ラキアの左耳でキラリと光った空色の石は
話し始めます。

「破壊ではなく、再生の歌を歌うんです。
そうすれば、風の世界すべてが再生されます」

「再生の歌というのがあるのか?
思い出せない。どれくらいの歌があるんだろうか?」
ラキアは、思い出せないことがつらそうです。

空風の世界にくれば、思い出せなかったことも
自然にわかるはずだと思っていたのですが
実際は、ここにきても何も思い出せていません。
無力な自分を感じて落ち込んでいました。

アルバが「そうだ。思い出を再生する機械を
作ってみようか。役立つかも?」明るく言います。

みんながびっくりして
「思い出を再生する機械があるんですか?」
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