雲からの糸
芥川先生の 蜘蛛の糸は
大好きな作品で、
幼い頃から
絵本でも 読んで
お気に入りだった。

もっとも、
蜘蛛の糸が
芥川賞の あの芥川の
作品であることを知ったのは
高校に入ってからだ。

昔から、虫が好きだった。
だから、蜘蛛も蜻蛉も蠍も蚊も蝿も
虫など殺した事もない。
その助けた虫たちが
どれだけの人間を死に追いやったかなどには
まったく一切興味がない。

私には 一つ 描いている物語がある。
天からの 様々な蜘蛛の糸を
はりめぐらせ
私は 一人 安穏とした
血の池で のんびり 
痛みと 戯れる。

悪人の巣窟なる血の池地獄の辛さは
きっと その煩雑な多さによるものに違いない。

< 2 / 13 >

この作品をシェア

pagetop