雲からの糸
きっと 私の配属される
血の池地獄の辺りには
天から 蜘蛛の糸が
からまるほどに
垂らされるに違いない。
私は 決して その糸を
よじ登る事はしない。

私には 血の池地獄が
一番の居場所となるのだ。

なにしろ、
今いる教室での
生き地獄の
恐ろしさと比べれば
なんの 苦しみがあるものか。

ずっと ここにいていい
世界なら
ずっと そこにいなきゃいけない
世界なら
私は たぶん そこを
動きはしない。

だれかに 追い出されそうな
世界だからこそ
肩身がせまく
凹むのだ。

誰にもじゃまされない
私の居場所が 地獄にあるのなら
私はそこから 離れはしない。


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