雲からの糸
この血の池地獄に残った
6人は どうしようもない悪党ども
というわけではない。

蜘蛛の糸の先に
なんの期待も
しない変わり者だけが
残った。

わざわざ 渾身の力でもって
雲の上まで 上りきったところで
はたして 天上での生活が
理想郷なものかどうか、、、、

毎日 繰り返される
痛みの苦しみも
それが 日常になると
痛みなのか 快感なのか
どうでもよくなるのだ。

堕ちてゆく、のが
嫌なのだ。

その点 地獄は 最悪なのだ。

毎日の苦しみも
希望などなければ
もう どうしようもないのだ。

生きている時の苦しみなども
死んでから ひょっとしたら、
まだましかもなどという
希望があるから、
耐え切れないだけなのだ。
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