*NOBILE* -Fahrenheit side UCHIYAMA story-
バンッ
私は非常階段の扉を開けた。
「ま、まさか階段を昇っていくんですか!三十階ですよ!!」
ごちゃごちゃ言っているイシカワ君を置いて、私は階段を昇りだした。
“第四条
コンシェルジュはお客様の要望を可能な限り聞き入れること”
それがある限り、不可能でない限り―――
私はお客様の要望にお応えする。
それがコンシェルジュだ。
未衣がくれた香水が意味するもの
それは
『高貴な』だ
そう、私は誇りを持って、その名に恥じないよう
精一杯やってみせる。