【短編】あの日見た夢は、今。
謎が、深まっていく。
そんなあたしがぐったりと肩を下ろして教室に入った、そんな折――
「ねえ、和葉!!」
「お、ユノ~どしたの?」
何かしら、血相を変えてユノがあたしの前に走りよってきた。よく見ると、肩が小刻みに震えている。
「なんか……この教室、変なの……」
「? 何が?」
ぽかんと口を開けながら教室を見回す。
すると、一部分が違っているように見えた。
ユノの席の左斜め前――櫻井さんの座っている窓際の席が、不自然によどんだ空気を発していたのだ。
――なに、アレ………ってか、あそこの席って……