【短編】あの日見た夢は、今。
「……そっくりだったんだ。俺が、その当時好きだった女の子に」
「はあ!?」
彼は少し、頬を赤く染めて続ける。
「でも、さすがに苗字や名前まで一緒なわけがねぇ。がっかりしてるところに、お前が来たのが――その、こないだ」
“ぺったんこ”と言われた時だ。
そしてまだ、彼は続ける。
「ぺったんこって言ってみたけど、あそこまで反応が同じとは、思わなかったけどな……」
「い、意味分かんない……」
「お前、俺が当時その子に言われたまんまの台詞返してきたから」
身体が、震えた。