【短編】あの日見た夢は、今。
「あたしのお母さん、ここの高校出身だし、今……41歳だし。旧姓が『斎藤』で、名前が『悠子』――」
そう言ったら、彼は肩をガクガク震わせていた。理由は分からなかったが、とりあえず言ってみる。
「……あたしのお母さんのこと好き、だったんだ?」
真っ赤に染めた顔を、あたしに向けてくる彼。そして、小さな声で、
「そうか……親子か。どうりで似てるはずだよな……そうか……」
――1人で納得してる………何、この人。