【短編】あの日見た夢は、今。
「…予知夢って、ナニ?」
「えー知らないの?“これから起きる出来事を夢に見る”ってことよ。だから、これから先、その男の子に逢うんじゃない?」
お母さんはそう言って、ジャムを塗りたくったパンをはむっと自分の口に運ぶ。
正直に言うと、気持ち悪いと思った。
――それってつまり、“未来予知”?意味分からん……
自分で言うのもなんだが、あたしは、自分の凡人さは人並み以上だと自覚している。クラスでも至って地味な存在だし、産まれてから15年、派手なことはあまりしていない。唯一派手なことといえば、中学の時の生徒会くらいなものだ。
至って凡人のあたしが、そんな超能力者みたいな力あるわけないのだ。この際断言しよう!あたしにそんな能力はない!!