【短編】あの日見た夢は、今。










「初恋だった……から、忘れられないのよねー今でも。あんな別れ方しちゃったから、もう逆に心に残っちゃって」


「言ってなかったわね」――お母さんがそう言うと、あたしは咄嗟に「いい!」とそれを遮った。

――だって、知ったから。
さっき、その加藤義正って人に……逢ってしまっていたから。









「そう、わかってるのね」

「……ごめん、お母さん」



なぜかあたしは、謝っていた。















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