ウイニングラン~夢をこの手につかめ~
そして決勝が始まるころになると、


さらに雨脚は弱くなったが、


それでもドライで走れるほどでは無く、


このレースはウエット宣言が出された。


各車レインタイヤを履くと、


ダミーグリット上に着いた。


この時サーキットには、雨にもかかわらず、


多くのファンが詰めかけていた。


ダミーグリット上で、


哲弥が翔矢に声をかける。


「良いか翔矢、この雨だ、無理はするな!


途中どうしてもタイヤ交換が必要になったら任せとけ、


出来る限り全力を尽くす」


「分かりました、その時はお願いします」


その後各チーム、


ライダーを残してすべてのメンバーがダミーグリット上を離れると、


ウォームアップランのため一斉に走り出したが、


あまりの雨のため、


後方ではウォームアップ中に転倒するライダーもいた。
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