ウイニングラン~夢をこの手につかめ~
そして少年は、


遥の存在を聞きづらそうに尋ねた。


「あのっ」


「なんだ少年」


「その人、葛城選手の彼女ですか?」



「そう見えるか?まあ、そんなとこだな」



隣で聞いていた遥は翔矢の思わぬ発言に、


顔をぽっと赤く染めた。



「あっ、お姉さん顔赤くなってる」


「大人をからかうんじゃないの」



「お幸せにい」



そう言って少年は去っていった。


その後エキスパートクラスの走行時間が来るたびに、


何度か翔矢も走行したが、


午前のタイムを更新することはなかった。



その後エキスパートクラスの最後の走行時間である3時半まで練習は続けられ、


この日の練習を終えた。
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