私と彼の物語
見つかるはずもない答えを何度も考える
自分の耳に触れる度、どうして付いているんだろうと思ってしまう
私はため息をつき、夕日が沈みきった黒い空を見上げながら立ち上がる
ゆっくり目を閉じると、暗闇に包まれる
何も見えない、何も聞こえない
感じるのは、身体を擦るように流れる風だけ
...寂しい
胸の奥がズキッと痛む
ゆっくり目を開け、家に帰るため私は堤防から道路がある方へと俯き気味に歩く
ゆっくり、ゆっくりと歩く先に目線を向けると、そこには思いがけない人が立っていた