私と彼の物語
帰り道
私はいつの間にか保健室のテーブルに顔を突っ伏して眠ってしまっていたみたいだ
外は、夕日でオレンジ色に染まっている
目の前にはサッカー部が使うグラウンドが広がっていて、練習に励んでいる姿が見える
そして、もう少し先にほんの少しだけ見える、くすんだ白い建物。
天辺の角の方が少しだけ覗くその光景はひどく胸が痛む
あそこは、要くんが亡くなった病院。
なぜか角度的にこの席からじゃないと見えないあの建物は、私を苦しくさせる
でも、唯一つながれる場所な気がしていつもこの席に座ってしまう
しいて言えば、特別席