*君の全てを愛してる*
肩よりちょっと伸びた
栗色の髪の毛はほんの少し
巻かれていて、

目は二重でぱっちりしている。

とびっきり美人と言う訳では無いが、
俺は目を離せなかった。


「じゃー高森さんはあそこの席に座ってくれる?」

そう言って担任が指差すのは
俺の後ろの席だった。


そして彼女はその椅子に腰を下ろし
俺に"よろしく"とだけ挨拶した。


俺は無愛想に"うん・・・"とだけ返した。


どうせこの子も俺の事を知ったら
他の奴らと一緒に避けるんだろう。

なら俺はそうなる前に
俺から遠ざける。








─────もう、あの時の喪失感は味わいたくないから。
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