【完】プリンセス
慣れちゃってて自分が、ギャル化してるのは、忘れてた。


「すごいでしょ? クラス皆コレだよー」


なんて、おどけて言う私にスーツのジャケットを脱いでかけると、端の方に押し込んだ。


「え? 何?」


目の前には、真っ赤なシャツと……隙間から覗く胸板。
目を逸らす場所がなくて困ってる私を見下ろし、


「パンツ見えるじゃないですか!」


低く私だけに聞こえる声で言う。

あれ? 怒ってる?


見上げた陽呂の頬は赤く、昨日の事を思い出した。


「陽呂? 昨日の熱……?」

「熱なんてありません」


だよねー?

朝言ってたもんね。


じゃあ、何で顔赤いの?


「心菜さん……」


やっぱり赤い顔した陽呂。
それを見て私の顔も赤くなる。


「このまま、抜けますよ?」

「え?」


こんな目立つ格好の2人が抜けるのなんて簡単な事じゃないのに。


クラスの人に、何か言いに行った陽呂は、

悪戯に微笑んで私にオッケーサインを出した。


それが……かっこよくて…///

また赤くなる顔。


頬っぺた……熱い……。

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