【完】プリンセス
「さっきから、ずっと呼んでるんだけどね?」
呆れた顔の美鶴に、苦笑いの俺。
俺の横に座り心配そうな顔。
「姉ちゃんと何かあった?」
「え? 何? 見てた? マジで?」
アタフタする俺を『ぶっ!』って噴出して笑う。
何笑ってんだよ?
少しムッとしながら軽く睨んだ。
「いや……焦りすぎだからね?」
そう言ってクスクス我慢して笑ってる。
くそ~~~!
美鶴の癖に……美鶴の癖にっ!
昔は、俺について来て可愛かったのに、いつの間にこんな、余裕ありな顔出来る様になったんだよ~!
俺が考え事してる時に、発言が趣味なのか美鶴は、
「告白でもされたの?」
なんて直球で聞いてきた。
――ガタンッ
明らかに動揺して、椅子から落ちる俺。
コイツ……見てたのか?
俺の脳裏を過ぎった一番初めの言葉。