【完】プリンセス
「ぶはっ!誰から告白されたとか言ってないのに……素直だね、陽呂」
こんな爆笑してる美鶴見んの、久しぶりかも。
やっぱ、金持ちの跡取り息子だな。
自分の抑え方、知ってるわ。
なーんてっ!
どーでもいい事だしっ!
「何で知ってるんだよ?」
俺は、倒れた椅子を起こして座り直す。
「う~ん、勘かな?」
はぁ?
勘で分かるもんなのか?
あのっ!心菜に告白されたんだぞ?
「多分……陽呂だけだよ? 気づいてないの」
「へ? 何が?」
「姉ちゃんが陽呂の事、好きだって事」
サラッと答える美鶴に俺の頭は、破壊寸前。
えええええ?
まじで?
皆……皆知ってたの?
てか、あの告白まじだったの?
いや、冗談だとは、思ってなかったけどさ?
本当に本当にまじだったのかよー……。