【完】プリンセス
俺は、心菜の一生を見守っていくんだ。

それが、俺に出来る事。

それだけだったはずなのに。



その、相手は俺でいいのか?



親父に無理矢理やらされた護衛。

そんな俺でいいのか?





「何、考えてるのか知らないけど、俺は陽呂の素直な気持ちを伝えてって言ってるんだからね?」


俺の顔を覗き込み、すげー真剣な顔。



素直な気持ち?

俺の……素直な気持ち?


俺の……。



そう思った時には、部屋を飛び出して……心菜の部屋の前に立ってた。




どーするよ、俺?


美鶴に言われて勢いで来たけどさ?

何て言うんだよ?



さっき……のあれ、絶対傷つくよな?



告白したのに、スルーなんて……。

あぁ……俺、まじ有り得ねー。



あん時は、テンパってて何て言ったらいいかなんて、わからなくてさ?

だから、取り合えず聞こえてないフリみたいな?


……聞こえてないはずねーしっ!


って……。


俺、何ドアと会話してんだよ?




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