【完】プリンセス
第十話☆心菜


陽呂とのデート1回目(皆も居たけど)も終わり、順調? な私達。


ほとんど、何も変わらないけどね?





今日も生徒会室で、雑用中。

今の季節は、文化祭も体育祭も終わって気の抜けた時期なのに……目前に迫る試験。


しかし、雑用がある生徒会。


学校の行事は、生徒会が仕切ってるって言っても過言ではない。



ただ、試験前だから、生徒会長と副会長のみなんだけどね?

まだ、壱と二人っきりは、気まずいんだよねぇ。



なんてーの?

あんな告白されたのに、すぐ陽呂と付き合った訳だしね?




「心ちゃん、これも見直しお願いします」

「はーい」


生徒会長室で、書類の見直し。


ペラペラ紙をめくる音だけが響く。
これが、気まずさを倍増させる。


「川合とは、どう?」


突然、話しかけられて手を止め顔を上げる私に、作業を続けたままの壱を見て慌てて作業に戻った。


「ふ。そんな動揺しなくても」

「……してないわよ?!」

「上手く行ってるの?」


上手く?

う~ん……。


「何も変わってないけど?」

「え? 今までと?」


さっきの私みたいに、手が止まった壱。



< 143 / 392 >

この作品をシェア

pagetop