【完】プリンセス
第十話☆心菜
陽呂とのデート1回目(皆も居たけど)も終わり、順調? な私達。
ほとんど、何も変わらないけどね?
今日も生徒会室で、雑用中。
今の季節は、文化祭も体育祭も終わって気の抜けた時期なのに……目前に迫る試験。
しかし、雑用がある生徒会。
学校の行事は、生徒会が仕切ってるって言っても過言ではない。
ただ、試験前だから、生徒会長と副会長のみなんだけどね?
まだ、壱と二人っきりは、気まずいんだよねぇ。
なんてーの?
あんな告白されたのに、すぐ陽呂と付き合った訳だしね?
「心ちゃん、これも見直しお願いします」
「はーい」
生徒会長室で、書類の見直し。
ペラペラ紙をめくる音だけが響く。
これが、気まずさを倍増させる。
「川合とは、どう?」
突然、話しかけられて手を止め顔を上げる私に、作業を続けたままの壱を見て慌てて作業に戻った。
「ふ。そんな動揺しなくても」
「……してないわよ?!」
「上手く行ってるの?」
上手く?
う~ん……。
「何も変わってないけど?」
「え? 今までと?」
さっきの私みたいに、手が止まった壱。