【完】プリンセス
「そうだけど……駄目?」
プリントをトントンと、まとめながら壱を見た。
にっこり笑った壱は、また作業に戻った。
「ううん。そっちの方が都合いいし♪」
「え? 何の都合?」
「心ちゃんと川合を駄目にする都合♪」
壱?
陽呂と、上手くいったら諦めるみたいな事言ってたよね?
「だってさ? 思ったよりも早く川合が動いちゃったから、何も出来てないしね?」
なんて笑顔で言われても困る。
「もうちょっとの悪あがき位、いいよね?
2人が上手く行ってれば問題ないでしょ?」
そうなんだけどね?