【完】プリンセス
って事は。
俺は心菜の教室に行った。
ほら、やっぱ1人じゃん。
「心菜さん」
普通に、いつも人と喋る大きさの声で呼んだ声に、何故か皆が振り返る。
俺が心菜を呼んだよ?
だけどさ?
そんな声でかかった?
何で、皆見てんの???
『え? え?』とキョロキョロ辺りを見回しながら驚く俺に、駆け寄って来た心菜に連れ出された。
で……何で?
生徒会室なわけ?
「ここなら、誰も来ないわよね?」
「はぁー?」
ふぅっと一息つく心菜が、わからない。
何だ?
誰か来たら困る話でもするのか?
「陽呂……目立つんだからあんま教室来ないで」
少し上目遣いで睨んで言われた。