【完】プリンセス
「心菜……そんな顔とか態度とか声とか、他のに見せんじゃねーぞ?」
「声?!」
クスクス笑いながら、『声って何よ?』なんて言ってるけどっ!
「いいのっ!
俺以外禁止! 全員に毒舌吐け!」
「何それー?」
やっぱり今日の笑顔は、可愛い。
潤んだ瞳に、ピンクの頬。
潤った唇に……。
だから……
こんな可愛い心菜見たら、押し倒すって、普通っ!
駄目駄目駄目。
俺は、守るっ!
別の意味で心菜を守るんだ。
守ってやる、じゃない“守る”なんだ。
こんな可愛かった心菜なのに……。
次の日の朝には、いつも通りでさ?
「陽呂、行くわよ? 早くしなさい」
って…泣いていいですか?!
勿論、俺の敬語も復活だしさ?
「はいー」
でも……。
耳元で、
『昨日の心菜可愛かったなぁ~』
って言ったら真っ赤になるんだなぁ。
当分、このギャップで楽しんでやろ♪