【完】プリンセス


――ドンッ



勢いよく開けた生徒会のドア。



中はガラーンとしてて、いつもの通りプリントや、帳面が机の上にあるだけだった。



んだよ。

……誰も居ねーのかよ。
せっかく走って来たのに。



どこ行ったんだ?



ここ以外で話出来る場所なんてあるか?

まさかっ! もう……?





そう思い、また走り出そうとした時、奥の扉が開いた。


「誰ですか、大きな音……あ……川合」


生徒会室より頑丈そうな扉の中から出て来たのは、柏原だった。

その後に、心菜の姿も見えた。


「何してんの?」

「打ち合わせだけど?」


フッと馬鹿にした笑みで答える柏原に、頭の中でプツンと音がした。

睨んだ俺が、その部屋に入ろうとした瞬間、胸の前に手が伸びた。
伸びた手を辿っていくと、真っ直ぐ前を見た柏原が、


「ここは、生徒会長と副会長のみしか入れないから」




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