【完】プリンセス
って……はぁ?!


何言ってんのコイツ?!
こんな密室に2人きり?


有り得ねぇつーの。


俺を見もしない柏原を横目で睨みながら


「心菜さん、来て貰えますか?」


いつにもまして低い声で言った。



心菜がビクッてなったのも、わかってる。

でも止められない。

ヘタしたら柏原殴るぞ?


「川合……ビビってるから」


俺の顔を見てヘラヘラしてんじゃねーよ。
消えろ……柏原。


俺と柏原の目には、多分火花ってのが散ってんだと思う。
それくらい、目を離さなかった。


「陽呂……まだ……用事があってね?」


用事?
柏原と密室で2人きりで用事?

ポツリと呟く心菜に目線を向けると下を向いていた。




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