【完】プリンセス
「でも……」

「でも……何?」


黙る陽呂の頭が、私の肩に乗る。

陽呂の柔らかい髪を撫でた。


「俺……助けれなかった」




え?

……もしかして。





「そんな事で、拗ねてるの?」

「……悪いかよ」



ううん。
悪いとかじゃなくて……。




可愛いっ!
陽呂……可愛いよ!



こんな事で、拗ねたりする人だったの?





「何、笑ってんの?」


あ……。
バレた?

肩が揺れてたのに気付いたのか、少し拗ねてる声。


「だって……陽呂があまりにも可愛いから」



この言葉……選択ミスだったと思います。

しかし、気付いてからでは遅い。
その通りだと思います。





さっきまで抱きしめられてた私は何故か逆転した陽呂に、玄関のフローリングに倒されてた。


勿論、上には陽呂のドッ!アップが。




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