【完】プリンセス
第十四話☆心菜
「で……それは、ノロケ?」
目の前には、少々怒り気味の愛未。
「だから違うってっ! 不安なのよっ!
って聞いてんの? あんた?」
必死に訴える私の話を流し、隣に居る林君の問いかけに、甘えた声で返答してる。
随分、私の時と違うくないか?
自分は、すっごい話しまくるのに!
聞いてなかったら怒るくせにー!
「要するに刺激がないんじゃん?」
「は? 刺激?」
「そ、だからコレどーよ?」
目の前に出されたパンフレト。
スキー旅行?!
事の発端は、私の相談から。
最近……陽呂と凄く上手くいってるのっ!
家に帰れば、陽呂の作ったおいしい御飯。
用意されたお風呂。
優しい陽呂。
何の文句もない。
前に大失敗してるから、変に意地張ってするのも止めたら陽呂が全部してくれてるしね。
朝も起きれば陽呂が先に起きててさ?
学校でも仲良くて。
休みの日は、デート。
これも大満足。