【完】プリンセス
ありゃ?
起きた……?!
「陽呂君……何してるのかしら?」
「おっおはようございます……心菜さん♪」
寝起きの悪い心菜から、スラスラとした言葉が出てきた。
不機嫌そうな表情を見て見ぬふりをしながら、挨拶したのに。
「……変態」
一言。
バッサリ言われた。
俺を一度睨み、そのまま起き上がって洗面台へ向かった。
それから……口聞いて貰えないんですけど?!
いわゆる、“無視”ってやつ。
そんな怒る事か?
キスしたくれーでさ?
てか、起きなかった心菜が悪いんじゃんっ!
なんて、自分の襲った事を反省せず、心菜の寝起きの悪さのせいにしてみても……。
俺を見もしない心菜の態度は変わらなくて。
すこーし……いや、大分?
後悔の嵐。