【完】プリンセス
……こいつぅぅぅ!
もう我慢の限界ってやつだぞ?!
いいんだな?
んな事言っても……?
「寝言で俺の名前呼ぶのも変態じゃね?」
「……え?!」
勢いよく振り返って驚いた顔を見せる。
俺は、ニヤニヤ見つめてやる。
そして、まだまだ終わらない俺の意地悪。
「どんな夢見てたの~? 心菜ちゃん♪」
俺の顔を見て、また前を向き、目線を合わせない心菜に近寄った。
首に手を回し、逃げれない様にして耳元に息を吹きかける。
「ちょっ……離れてよ?!」
「じゃあ、許してくれる?」
そっと、耳元で甘い声を囁く。
「わかっ! わかったから……許すから!」
ふ……俺の勝ち♪
でも“変態”呼ばわりの代償はデカイよ?
勿論、俺は!
まだ許してないからね?
「え? ……早く離れて……キャッ」
耳裏をぺろっと舐める。
ビクッと反応する耳元で、まだまだ囁きかける。
「何でそんな怒ってたの?
理由言わなきゃ……離さないよ?」
俺の意地悪を引き出したのは……心菜じゃん?
責任とってよね?