【完】プリンセス

「陽呂……ありがとー……」


俺の胸に強く抱きついて泣き出した。


え?え?え?
これも泣くとこ?


てか、喜んでくれた?!
『こんなのいらない』とか言わない?!

そう思ったのに、泣くじゃくる心菜を見てたら、
すげー嬉しくなって。

胸が熱くなった。


「どーした? 今日、やけに泣くじゃん」

「だってぇ……陽呂が……陽呂が……」


片方の手で心菜を抱きしめ、もう片方でよしよしって頭を撫でてた。


こいつ……ちいせーな。


いや、背とかの問題じゃなくてさ?
俺の腕の中にスッポリとはまって。

強く抱きしめたら壊れちまいそうだな。って思ったんだ。



落ち着いて来た心菜の名前を呼んで上を向かせると、優しくキスをした。


眉毛が垂れてて可愛い。
子犬みたいだし。


いつもの毒舌心菜からは、想像もつかない。





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