【完】プリンセス


そして、心菜に言ってなかった大切な言葉を。


一番初めに言わなきゃ駄目だった言葉を。


今頃だけど……どうしても言いたいんだ。




俺が、心菜をどんなけ大切にしてるか。

どれ程、心菜を愛してるか。





ほっとかれた、ろうそくはケーキの上で今だ燃えてる。

多分……ろうそくの部分取らなきゃ食べれないな。


光り輝くろうそくをみながら思った。





部屋の中には、カチカチと時計の針の音だけが響く。

未だ泣きそうな顔で、俺を見つめる。





そして、そっと微笑んだら、ふんわり優しい笑顔で返してくれる。



その優しい笑顔も。
その白い肌も。
その小さな唇も。
その柔らかい髪も。
その綺麗な体も。


全てが愛しいんだ。





< 250 / 392 >

この作品をシェア

pagetop