【完】プリンセス
『で……毎日、家行って、弟君達とだけ遊んでるんですか?』
『……はい』
泣きそうに返事をする私に、
失笑する陽呂君と沙耶ちゃん。
今日も靴箱前で一緒にサボリ中。
だって、この時間しか、この2人捕まえれないんだもん。
でもさ?
相談する人……間違ってる?
ねぇ、間違ってる?!
『でも、そろそろ、気合入れないと……ねぇ?』
『うん……確かに』
陽呂君と沙耶ちゃんが意味深な顔で、目を合わせた。
『何、何?』
『それが……』
沙耶ちゃんの言葉が、グルグル頭から離れない。
隣には大好きな林君が居て、今日も家行くのに。
『愛未さん? 元気ないですね?』
『ううん、そんな事ないよ? 元気元気!』
わざとらしい位の大笑いをしてしまった。