【完】プリンセス
「今、陽呂君の方がいいって思ったでしょ?」


ゔ……。

ニヤッと笑いながら言うストレートな言葉に、一瞬詰まる。


「愛未?手止まってる」

「陽呂君の話になると。おーこわッ」


茶化すのを無視して事務的作業に戻る。

暫くニヤニヤしてた愛未も早く帰りたいのか、単調な作業をまた始め出した。





あぁ~早く帰りたいっ!

陽呂と居れる時間って少ないのに!

何で、こんなとこで、したくもない事してるのよ?



うちの生徒会人気あるんだから立候補者にさせなさいよね……。



同じ事を繰り返すだけの頭の中は、考え放題。

だんだん沸く怒り。



しかし、私の思いも虚しく、ちんたらと作業が続いた夕方。


「そろそろ時間も遅いんで解散しましょうか」


やっとかっ!

そそくさと帰る準備をしながら、愛未と楽しく話をしてたら


「副会長、ちょっと残って下さいね」


と声がかかり、帰り支度の手が止まった。


はあぁぁぁん???

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