【完】プリンセス
――カタン
「ご馳走様」
席を立ち、部屋に戻ろうとする私に気づかない親達。
そんな親を横目で見ながら、歩いて行く。
皆、結婚する本人より紙切れが大事なんだね。
そう思ってるのにも気付かないなんて。
後で、陽呂と美鶴の声がした。
その声に気付いたママが、
「あら? もういいの? あれ? 心菜ちゃん?
ちゃんとご馳走様したの?」
そんな声、無視。
ご馳走様したの? って私は、何歳なのよ?!
それに、ちゃんと言ったでしょ?
聞いてないのは、ママ達じゃない。
部屋に入った私の後に、すぐ陽呂と美鶴が入って来た。