【完】プリンセス
「姉ちゃん……機嫌悪いね~」
椅子に座りながら、私の顔を覗きこむ。
「別に……」
目線をずらして冷たく答えた。
わかってる。
悪いのは美鶴じゃない。
だけど……今は他に優しくなんて出来ない。
「まぁ、仕方ないですよ。
結婚ともなれば大事ですからね」
ふん……陽呂は、陽呂は嫌じゃないの?
勝手に全部決められてさ?
私達の結婚式なのに。
「美鶴ん時は、もっとだろーけどな?」
「うわ~恐ろしいねぇ」
暢気な会話。
でも、確かに美鶴ん時は、もっと大変だろうな。
長男だし。
私ですら、今時こんなハデな結婚式あるのか?
ってなくらい驚いてるのにさー。