【完】プリンセス
「う~ん、お互い好きとかなく親に言われたまま付き合っててさぁ」
そーだったの?!
私、美鶴は好きなんだと思ってた……。
夜も彼女に会いに行くからって出かけてたし。
「で、向こうが本当に好きな人が居るって言うから、俺が振った事にして別れたの」
「そか、やっぱ別れたか」
納得する陽呂を見て驚いた。
え?! 陽呂知ってたの?
何か……何も知らないのは、私だけな気がする。
美鶴と彼女が、好き同士じゃなかった事も。
お互い親の為だけだった事も。
それに、今回の結婚の事も。
私の周りで、私に関する人の事なのに知らない事ばっかり。
後で教えられてばっかり。
何か……モヤモヤするなぁ。